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戦略系と総合系
コンサルの年収はどう違うのか

公開: 2026年8月19日

「コンサル 年収」で検索すると戦略系と総合系の数字が混在して出てきます。両者は肩書きこそ同じでも、案件単価もチーム規模もビジネスモデルも違う別の相場です。この二つを並べて、どこで年収が分かれるのかを確認します。

コンサルティングの現場
コンサルティングの現場Photo: Mindaugas U / Pexels

ベース水準からして違う

コンサルの年収は一つの相場ではなく、所属するファームの類型によって基準線そのものが変わります。特に差が出やすいのが戦略系と総合系です。戦略系(MBB等)は少人数のチームで高単価のプロジェクトを回すビジネスモデルのため、新卒・未経験からの採用時点ですでにベース水準が高く、若手のうちから他の類型より一段上の年収レンジが設定されています。案件単価の高さが、そのまま若手個人の年収に反映される構造だといえます。

一方、総合系(会計士系・大手総合ファーム)は人数規模が大きく、戦略系ほど初任水準が突出しているわけではありません。その代わり、ランクが上がるごとに年収帯が段階的に広がっていく設計になっていることが多く、業務改革・DX・M&Aなど案件領域が幅広い分、配属先によって求められるスキルセットも評価も変わってきます。少人数×高単価で「最初から高い」戦略系と、大人数×段階的な広がりで「上がるごとに伸びる」総合系という、出発点と伸び方の両方が異なるビジネスモデルの違いが、そのまま年収レンジの形に表れていると整理できます。

IT系(システム導入・技術コンサル寄り)は技術力そのものが評価軸に含まれるため、同じランクでも技術系バックグラウンドの有無で提示額に差が出やすい点が特徴です。財務系(FAS・M&Aアドバイザリー等)は会計・財務の専門資格や実務経験が前提になることが多く、未経験での参入ハードルは他の類型より高い一方、専門性に応じた年収設定がされる傾向があります。

いずれにしても、「コンサル 年収」という一つの数字で戦略系と総合系を比較すること自体が、ビジネスモデルの違いを無視した比較になりがちです。自分が応募・所属しているファームがどちらの類型に属するかを先に押さえることが、年収水準を判断する最初の軸になります。

ランクが年収を決める仕組みは共通、レンジの刻み方が違う

コンサルの年収は在籍年数ではなくランクで決まり、アナリスト→コンサルタント→マネージャーと階層が上がるたびにレンジそのものが切り替わります。同じランクにとどまる限り年収の伸びは緩やかですが、1つ昇進すればレンジ間のジャンプで数百万円単位で動くという仕組みは、戦略系・総合系のどちらでも共通です。違うのはこのレンジの刻み方です。

戦略系は少人数のチームで高額プロジェクトを回すビジネスモデルのため、初任のランクから既に一段上のレンジが設定されています。つまり最初の刻み幅自体が大きく、入社時点で総合系の同ランクより高い水準からスタートする構造です。その分、次のランクへのジャンプ幅も相応に大きくなりやすく、昇進1回あたりのインパクトが強く出ます。

一方で総合系は人数規模が大きいビジネスモデルのため、初任水準は戦略系ほど高く設定されない代わりに、ランクが上がるごとに年収帯が段階的に広がっていく設計になっています。アナリストからコンサルタント、マネージャーへと階段を一段ずつ上がる形でレンジが積み上がっていくため、昇進1回あたりの跳ね幅は戦略系より緩やかになりやすい一方、階層の刻みが細かく設定されている分、途中のランクでも評価の変化が年収に反映されやすいとも言えます。

この違いは、同じ「マネージャー」という肩書きを比較するときに特に効いてきます。戦略系のマネージャーと総合系のマネージャーでは、そこに至るまでのレンジの積み上げ方が違うため、単純に肩書きだけを揃えて年収を比較すると実態とずれます。自分が今どちらの設計のファームに属していて、そのレンジのどの位置にいるのかを整理しないと、次の昇進や転職での妥当な水準は見えてきません。各ファームのランク別レンジがどう刻まれているかは求人票だけでは分かりにくく、ファーム類型ごとの刻み方を把握しているに確認すれば、自分のランクが今どの位置にあるかをすり合わせることができます。

up-or-outが効いたとき、どちらが二極化しやすいか

戦略系(MBB等)は少人数チームで高額プロジェクトを回す体制のため、ランクごとの人数枠がもともと絞られています。up-or-outで昇進できなければそのレンジで頭打ちになる一方、同期の絶対数が少ないので「昇進できた人・できなかった人」の差が個人単位ではっきり見える形で現れやすいと考えられます。椅子の数自体が少ないため、昇進基準を満たしても空きが出るまで待たされる、あるいは他ファームへの移籍で結果的にポジションが動くという需給の影響も、少人数であるほど個々の在籍者に直接響きやすい構造です。

総合系は人数規模が大きく、アナリスト層が特に厚いピラミッド型の分布になりやすいため、二極化は個人差としてよりも階層間のボリューム差として現れやすいといえます。同じランクに滞留する人数が多いぶん、昇進できずに頭打ちになる人も、昇進していく人も、それぞれ一定のまとまりとして存在しやすく、戦略系のように「昇進した少数 対 残った少数」という際立った対比にはなりにくい傾向があります。一方で、上位ランクに近づくほど椅子の数が絞られていく点は共通しているため、マネージャー以降の昇進競争では総合系でも同様の頭打ちが起きます。

いずれの類型でも共通しているのは、次の2点です。

ただし、その二極化が「個人単位で際立つか」「階層の厚みとして現れるか」は、少人数体制か大規模体制かという組織構造の違いに左右されます。自分が今どちらの体制に属し、そのランクの中でどの位置にいるのかを分けて考えることが、up-or-outの結果を正しく解釈する前提になります。

事業会社に移った後、評価されるものが違う

コンサルから事業会社に移る際、年収と役職を決めるのは在籍していたファームの知名度ではなく、コンサル時代のランクが移籍先のどのポジションと接続するかという対応関係です。この接続のされ方が、戦略系出身者と総合系出身者とでは異なる傾向を持ちます。

まず共通する原則として、マネージャー以上のランクは、事業会社側の部長級・事業責任者級のポジションと接続しやすくなります。プロジェクト全体の責任者としてクライアントの経営層と直接対峙してきた経験が、事業会社側の意思決定層と話せる人材として評価されるためです。これは戦略系・総合系のどちらの出身でも共通して働く評価軸です。

この共通の土台の上で、戦略系出身者と総合系出身者では、評価材料として重視されやすい点に違いが出てきます。

もう一つ、出身ファームの類型を問わず効いてくるのが、提言と実行の連続性という評価軸です。コンサルの仕事は基本的に「提言する」ところまでで、実行と結果責任は原則クライアント側に残ります。事業会社側が中途採用で見ているのは、その提言を自分で実行し、数字として着地させられるかどうかです。戦略立案の経験そのものは評価されても、それだけでは「絵は描けるが実行力は未知数」という評価にとどまり、提示年収が伸び悩む要因になります。逆に、業界特化で現場感を持つ総合系出身者や、事業会社側で予算執行・部門運営の権限を伴うポジションを任される見込みが立つ人は、コンサル時代より高いオファーが出ることもあります。

つまり、ポストコンサル転職での評価材料は、戦略系出身者であれば「マネージャー以上としての意思決定層との対峙経験」、総合系出身者であれば「業界特化による即戦力性」が軸になりやすく、いずれの場合も提言だけでなく実行まで踏み込める見込みがあるかどうかが、年収の伸びしろを左右します。

未経験からの間口は、総合系の方が広い

未経験からコンサル業界に入る場合、原則として新卒と同じアナリスト・アソシエイトクラスからのスタートになりますが、その「入口の広さ」は戦略系と総合系で明確に違います。総合系・IT系ファームは、会計・エンジニアリングなど業界知識や資格を持つ第二新卒、あるいは30代前半までの中途採用に比較的積極的で、事業会社での実務経験がそのまま評価材料になりやすいのが特徴です。人数規模の大きいビジネスモデルを支えるため、地頭やポテンシャルだけでなく「即戦力になり得るか」を柔軟に見る採用枠が用意されている構造だといえます。

一方、戦略系ファームは新卒・第二新卒の採用枠自体が小さく、選考でもケース面接など専用の対策を要する独自の評価プロセスが課されます。少人数のチームで高単価プロジェクトを回すビジネスモデルである以上、採用の絞り込みも厳しくならざるを得ません。未経験からの応募自体は可能でも、通過するまでの準備量とハードルは総合系よりも高くなる傾向があります。

ここで押さえておきたいのは、間口の広さと「入社後の出発点」は必ずしも一致しないという点です。総合系は未経験でも採用されやすい分、入社時点のランクは最下位クラスに置かれることが多く、そこから段階的にレンジが広がっていく設計です。対して戦略系は間口こそ狭いものの、通過できれば新卒同様に若手のうちから一段上のベース水準からスタートできます。つまり「入りやすさ」を優先するか「通過後の出発点の高さ」を優先するかで、目指すべき類型が変わってくるということです。

例外として、会計士資格保有者や特定業界での事業企画経験者など、専門性を積んだ中途入社者は未経験であっても最下位ランクではなく一段上のポジションで採用されることがあります。ただしこの評価はファームや採用ポジションごとに個別判断される部分が大きく、書類上の経歴だけでは想定しづらいのが実情です。自分の経歴がどのランクで評価される可能性があるのか、選考ごとの採用基準の違いまで含めて事前に整理できれば、応募先を絞り込む段階での判断材料になります。ファームごとの未経験採用の傾向を把握しているに確認しておくと、自分の経歴が総合系・戦略系のどちらの採用プロセスと相性がよいか、応募前の段階ですり合わせやすくなります。

いずれの類型を選ぶにしても、未経験からのコンサル転職は入社時点の年収そのものよりも、そこからの昇進スピードで年収カーブが決まる働き方です。間口の広さだけを基準に応募先を決めるのではなく、その後どのレンジをどのペースで上がっていくのかまで含めて検討する視点が必要になります。

どちらの相場で自分を見るべきか、決める前に

ここまでの5つの軸をまとめると、コンサルの年収を正しく見るには「自分がどの基準線と比較されるべきか」を先に決める必要があることが分かります。ファーム類型でベース水準が違い、同じ肩書きでもランクとレンジの刻み方が異なり、up-or-outの効き方も戦略系と総合系で二極化の現れ方が変わります。ポストコンサル転職で何が評価されるかも、未経験からの間口の広さも、すべて「今どの類型・どのランクにいるか」を起点にして初めて意味を持つ数字です。

つまり、「コンサル 年収」で検索して出てくる相場観をそのまま自分に当てはめることはできません。ファーム類型(戦略系か総合系か、あるいはIT系・財務系か)・現在のランク・在籍年数・up-or-outの判定タイミングに近いかどうかという自分の属性を整理して初めて、比較すべき基準線が定まります。属性を整理しないまま提示年収や求人票の数字を見ても、それが自分にとって妥当な水準なのか、伸びしろのある位置にいるのか、次の昇進や転職の判断材料にはなりません。

特に、同じ「マネージャー」でも属するファームの類型次第でレンジ差が数百万円単位になる以上、自分の経歴が今どの基準線の、レンジのどの位置に該当するのかを客観的に確認する作業は避けて通れません。在籍年数や前職の年収だけでは、この位置づけは見えてこないのが実情です。

今の自分の属性(ファーム類型・ランク・経験年数)を入力し、どの基準線で見るべきかを整理したい方は、年収診断で自分の立ち位置を確認してみてください。

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よくある質問

戦略系と総合系、未経験から入りやすいのはどちらですか。

総合系・IT系の方が間口は広い傾向です。業界知識や特定スキルを持つ第二新卒の採用に比較的積極的なのに対し、戦略系は新卒・第二新卒枠自体が小さく、ケース面接など独自の選考プロセスが課されます。

同じ『マネージャー』でも戦略系と総合系で年収は同じですか。

同じではありません。ファーム類型ごとにベース水準そのものが違うため、同じ肩書きでもレンジの基準線が異なります。比較する際はどちらの類型のマネージャーかを分けて見る必要があります。

up-or-outの厳しさは戦略系と総合系で違いますか。

仕組み自体は共通してあるとされますが、少人数で高額案件を回す体制か、人数規模が大きい体制かによって、昇進できなかった場合の頭打ちの現れ方や上位ポストの空き待ちの感覚は変わりうると考えられます。

事業会社に転職するなら戦略系出身と総合系出身どちらが有利ですか。

一概には言えません。マネージャー以上で意思決定に近い役割を担ってきた人は年収を維持しやすく、特定業界を専門にしてきた人は同業界の事業会社で即戦力として評価されやすいという、別々の強みがあります。

戦略系か総合系か、自分に合う方はどう判断すればいいですか。

現在または今後所属するファームの類型・ランク・経験年数を整理したうえで、それぞれの相場レンジと照らし合わせる必要があります。一般的な相場情報だけでは自分のケースに当てはめる基準になりません。

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今回の内容をふまえ、同業種・同年代の水準と比較してみましょう。

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