年収UPシミュレーター 30秒で診断する
READING / リハビリ職

リハビリ職の年収は、年齢とともに上がり続ける。
ただし50代はほとんど残っていない

公開: 2026年8月18日

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の年収を国の調査で追うと、2つの事実が同時に出てきます。年収は50代後半まで一貫して上がり続けること。そして、その年齢まで残っている人が極端に少ないこと。この2つをセットで見ると、キャリアの考え方が変わります。

平均は444.1万円、ただし平均年齢が若い

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査から、リハビリ職の数字を取り出します。

項目
平均年収444.1万円
きまって支給する現金給与額(月)311.4千円
年間賞与その他特別給与額704.7千円
平均年齢35.5歳
平均勤続年数7.8年
対象労働者数約25万3千人

年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で計算しています。

ここで先に押さえておきたいのが平均年齢35.5歳という数字です。この後で他職種と比べますが、リハビリ職は他の医療職に比べて平均年齢が明確に若いという特徴があります。平均年収を他職種と単純に並べると、この年齢差の分だけ低く見えてしまいます。

この調査の職種区分は「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」の4職種をまとめた集計です。PT・OT・STそれぞれの内訳は公表されていないため、この記事の数字は4職種の合算値として読んでください。

年収カーブは50代後半まで上がり続ける

同じ調査の年齢階級別を見ると、上がり方がはっきり出ます。

年齢階級月額給与年間賞与年収
20〜24歳260.5千円321.3千円344.7万円
25〜29歳278.3千円640.3千円398.0万円
30〜34歳307.6千円744.9千円443.6万円
35〜39歳321.1千円754.1千円460.7万円
40〜44歳338.1千円855.1千円491.2万円
45〜49歳364.1千円934.3千円530.4万円
50〜54歳363.6千円997.9千円536.1万円
55〜59歳420.4千円1,055.1千円610.0万円
60〜64歳340.6千円485.4千円457.3万円

20代前半の344.7万円から50代後半の610.0万円まで、265.3万円上がっています。しかも途中で頭打ちになる区間がありません。「リハビリ職は昇給しない」という話をときどき聞きますが、少なくとも全国の集計値としては、そうはなっていません。

目立つのは20代前半の賞与の低さです。321.3千円で、25〜29歳の640.3千円のちょうど半分程度。新卒1年目は賞与の算定期間が短く満額が出ないため、この階級の平均が引き下げられていると考えられます。就職して最初の1〜2年の手取り感覚のまま将来を判断すると、実態より低く見積もることになります

60〜64歳で457.3万円に下がるのは、定年後の再雇用によるものと見るのが自然です。賞与が485.4千円と、55〜59歳の1,055.1千円から半分以下に落ちています。

人数は45歳を境に半減する

ここが、この記事でいちばん見てほしい部分です。同じ表には各年齢階級の労働者数も入っています。

年齢階級労働者数25〜29歳を100としたとき年収
20〜24歳39,800人77344.7万円
25〜29歳51,610人100398.0万円
30〜34歳41,330人80443.6万円
35〜39歳41,530人80460.7万円
40〜44歳32,040人62491.2万円
45〜49歳25,280人49530.4万円
50〜54歳11,760人23536.1万円
55〜59歳5,270人10610.0万円

年収は上がり続けているのに、その年齢に到達している人は急速に減っていきます。25〜29歳を100とすると、45〜49歳で49、55〜59歳では10です。

この減り方には、少なくとも2つの説明が考えられます。ひとつは、リハビリ職の養成が比較的新しく、そもそも上の世代に有資格者が少ないこと。もうひとつは、年齢が上がる過程で職場や職種を離れる人がいることです。この調査の数字だけでは、どちらがどれだけ効いているかは判別できません。断定は避けますが、「長く続ければ上がる」という前提が、実際に長く続けている人の少なさとセットになっていることは、キャリアを考えるうえで知っておく価値があります。

この数字の読み方 これは同じ人を追跡した調査ではなく、ある一時点での年齢別の断面です。今25歳の人が20年後に530.4万円もらえることを保証する数字ではありません。逆に、45〜49歳で530.4万円という水準が現に存在していることは事実です。

他の医療職と比べてどうか

同じ調査から、隣接する職種を並べます。すべて令和6年・企業規模10人以上・男女計の数字です。

職種平均年収平均年齢平均勤続年数
薬剤師599.3万円40.9歳8.8年
看護師519.7万円41.2歳9.4年
リハビリ職(PT/OT/ST/視能訓練士)444.1万円35.5歳7.8年
介護支援専門員(ケアマネ)429.6万円52.8歳11.4年
准看護師417.2万円51.5歳13.6年
保育士406.8万円39.5歳8.6年
介護職員(医療・福祉施設等)376.0万円45.2歳8.5年

看護師との差は75.6万円ですが、平均年齢が5.7歳違います。年齢をそろえて、リハビリ職の40〜44歳(491.2万円)と比べれば、差はかなり縮まります。平均年収の比較だけで「リハビリ職は割に合わない」と判断するのは早いということです。

むしろ注目したいのは准看護師と介護支援専門員です。どちらも平均年齢が50歳を超えていて、勤続年数も長い。それでリハビリ職より年収が低いか同程度です。年齢と勤続を積んだ状態での到達点という意味では、リハビリ職の位置は悪くありません。

出典 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種別第1表・第5表(政府統計の総合窓口 e-Stat で公開、2025年3月17日公表)。企業規模10人以上、男女計の値です。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出しています(実際の年収は残業や賞与の変動で前後します)。労働者数は原表の「十人」単位を人数に換算しています。

上がる転職と、上がらない転職の分かれ目

年齢別のカーブは全国の集計値であって、これがそのまま個人に適用されるわけではありません。実際に金額が動く条件を整理します。

パターン年収への影響理由
賞与の実績が高い法人へ移る上がりやすい年収の約16%が賞与。月給より振れ幅が大きい
役職・管理職のポストへ動く上がりやすい45歳以降の人数が少ない=ポストが空いている可能性
訪問・在宅分野へ移る上がることがある件数に応じた手当を設定している事業所がある
同規模・同分野へ移る横ばい構造が変わっていないため上がらない
新卒1〜2年目で判断して動く下がることがある賞与が満額でない時期の水準で将来を見誤る

リハビリ職で見落とされやすいのが賞与の比重です。平均で年収444.1万円のうち賞与が70.5万円、つまり年収の約16%を占めています。月給が同じでも賞与の支給月数が違えば、年収は数十万円変わります。求人票の月給欄だけを比較しても、この差は見えません。

求人票に「賞与年2回」とだけ書かれている場合、支給月数が何か月分なのかは分かりません。前年度の実績が何か月分だったかを必ず確認してください。比較するときは月給ではなく、賞与の実績を含めた年収ベースで並べる必要があります。

動く前に、自分の適正年収を確かめる

ここまで読んで「では自分はいくらもらえるはずなのか」が分からないと、結局は動けません。そして、この基準を持たないまま相談に行くと、提示された条件が高いのか安いのかを判断できないまま話が進みます。

本サイトの年収シミュレーターは、職種・年代・希望する方向を選ぶだけで、適正年収の目安と、上げられる金額の幅、そしてその条件に合う相談先を出します。所要時間は30秒、登録もメールアドレスの入力も必要ありません。

まず自分の適正年収を知る

4つの質問に答えるだけ。あなたの条件に合う転職エージェントも一緒に出ます。

30秒で年収を診断する 登録不要・無料

よくある質問

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収はいくらですか?

令和6年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」の平均年収は444.1万円でした。内訳はきまって支給する現金給与額が月311.4千円、年間賞与その他特別給与額が704.7千円です。平均年齢は35.5歳、平均勤続年数は7.8年、対象労働者数は約25万3千人です。なおこの区分は4つの職種をまとめた集計であり、職種ごとの内訳は公表されていません。

リハビリ職の年収は年齢とともに上がりますか?

上がります。同じ調査の年齢階級別では、20〜24歳が344.7万円、30〜34歳が443.6万円、40〜44歳が491.2万円、45〜49歳が530.4万円、55〜59歳が610.0万円と、50代後半まで一貫して上昇しています。20代前半と50代後半の差は265.3万円です。ただし60歳以降は457.3万円へ下がります。

リハビリ職は看護師より年収が低いのですか?

平均値では低くなりますが、平均年齢が違う点に注意が必要です。同じ令和6年調査で、看護師の平均年収は519.7万円(平均41.2歳)、リハビリ職は444.1万円(平均35.5歳)です。差は75.6万円ありますが、リハビリ職は平均年齢が5.7歳若く、同じ40代前半どうしで比べるとリハビリ職は491.2万円になります。

リハビリ職は年齢が上がるとどれくらい人数が減りますか?

大きく減ります。同じ調査の労働者数は、25〜29歳が51,610人でピークとなり、35〜39歳が41,530人、45〜49歳が25,280人、55〜59歳では5,270人まで減ります。25〜29歳と比べて55〜59歳はおよそ10分の1です。資格保有者が比較的新しい世代に偏っていることと、年齢が上がるにつれて職場を離れる人がいることの両方が考えられますが、この調査からどちらの要因が大きいかは判別できません。

新卒1年目の給与が低いのですが、このまま続けて上がりますか?

20〜24歳の年間賞与は321.3千円で、25〜29歳の640.3千円のおよそ半分です。新卒1年目は賞与の算定期間が短く満額が支給されないため、この時期の水準は実態より低く出ます。年収でも20〜24歳の344.7万円に対し25〜29歳は398.0万円と、53.3万円の差があります。最初の1〜2年の感覚だけで将来を判断すると、低く見積もることになります。